日本腰痛学会日本腰痛学会

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理事長挨拶Greeting


 日本腰痛学会は平成5年に日本腰痛研究会として発足し、平成12年から日本腰痛学会、そして平成28年から法人化され、一般社団法人日本腰痛学会となった、大変歴史の長い学会であります。現在1000名弱の会員がおり、多くの職種から構成され、多角的視点からの基礎、臨床研究が議論され、臨床に実践されております。この度、紺野愼一先生より理事長職を引き継ぎ、大変光栄に思うとともに、本学会を発展させるよう身の引き締まる思いであります。

 腰痛は国民愁訴で最も多く、一生のうち85%の国民が経験し、本邦における経済損出は3兆円と考えられております。疫学、予防法、治療方法も一定のコンセンサスがあるものの、未解決の問題が山済みであります。国際腰椎学会を筆頭に、世界での腰痛研究の流れがあります。Bench to bedside.、Aging spine 、Population study、Evaluations、Surgery and Complication、Cognitive-Behavioral-Therapyなど多くのビッグデータが報告されております。本邦においても、今後は多施設による、前向きなビックデータを検討しなくてはならないと考えております。また、本邦の英語論文数は20年前までは世界4位とされておりましたが、現在は、12位までに落ち込んでおります。国家予算の科学研究費の減少も問題となっており、両者に対する取り組みも本学会から発信したく思います。ただ、忘れられがちな、少ない事象をじっくり観察して得られる知見も歴史を変える大発見に繋がるので、重要視したく考えております。最終的には、国民の健康増進のため、これらの知見を臨床の現場に応用することであります。

 皆様のご指導、ご鞭撻をお願い致しますとともに、ご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

令和5年4月1日
日本腰痛学会 理事長
大鳥精司
(千葉大学大学院医学研究院
 整形外科学 教授)